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Set Me Free
Leader-Producer
Label:Roving Spirits
CD品番:RKCJ-2017
発売日:2005.12.14
税込価格:\2,800
Set Me Free
B-HOT CREATIONS
やんちゃな感覚 FREE MIND 煮詰まったJ-JAZZ界をPOPに跳び越してゆけ! [CD帯コメント]
members

加藤真一 (bass) Shinichi Kato
田中信正 (piano) Nobumasa Tanaka
斉藤 良 (drums, percussions) Ryo Saito
Nobie (vocal, voice) Nobie

tracks

ブルース・フォー・プルート Blues For Pluto 4:07
(作曲:加藤真一 Music by Shinichi Kato)
ファビュラス Fabulous 3:41
(作詞:Nobie/作曲:加藤真一 Lyrics by Nobie /Music by Shinichi Kato)
ビジー・ビー Busy Bee 2:31
(作曲:加藤真一 Music by Shinichi Kato)
セット・ミー・フリー Set Me Free 9:06
(作詞:Nobie/作曲:加藤真一 Lyrics by Nobie /Music by Shinichi Kato)
ブルー・アンティーク Blue Antique 6:06
(作曲:加藤真一 Music by Shinichi Kato)
石狩 Ishikari 5:37
(作詞:Nobie/作曲:加藤真一 Lyrics by Nobie/Music by Shinichi Kato)
ビコ Biko 8:13
(作曲:加藤真一 Music by Shinichi Kato)
ユー・アー・イン・マイ・ソウツ You Are in My Thoughts 5:53
(作曲:加藤真一 Music by Shinichi Kato)
夜の底 Yoru no Soko 6:33
(作詞:Nobie/作曲:加藤真一 Lyrics by Nobie/Music by Shinichi Kato)
終曲~エピローグ Epilogue 5:56
(作曲:加藤真一 Music by Shinichi Kato)

Total time : 57:47


1. ブルース・フォー・プルート
命名は友人大木隆太郎氏。穂積泰人というペンネームでライナーノーツなど書いている。「黒猫の理由」というタイトルで嶋津健一のCD「Double Double Bass Session」でも演奏した。ライブでよくやっていたのでこなれている。プルートというのはエドガー・アラン・ポーの小説に出てくる黒猫の名前だそうだ。ブルース的解釈によるとフラット5thの音はブルーノートだが、独立したB音という意識で作曲した。メンバーはどう思って演奏しているのか、まあ、私にとってはどうでもいいけど。Fのブルース。

2. ファビュラス
Nobie の詞。この曲だけはすぐ詞を書いてくれた。このバンドには珍しく恋の歌かな。曲のムードに好くマッチしていると思います。彼女に言わせれば作詞は、「降りてくる」そうだ。この詞はNobieによる曲の印象から出来たものだが、私はキース・ジャレットがよくやるペダルトーンでの長いエンディングをヒントに作曲した。信正にそれを話してもあまり意味が無いと思うので言ってはいない。が、彼はいつも彼なりの解釈で弾く。誰のスタイルでもない信正スタイル。これが私にとって一番重要なことだ。それとこの2日のセッションの信正は総て好いテイクだった。好調なのですね。

3. ビジー・ビー
ドコドンドン、どんどこどん!太鼓は任せろ、良さまのお出ましだい!ヤツはやはり太鼓タタキだ。積極性、思い切りの良さ、開き直りといってもよいが、痛快。タイトルは、「働き蜂」ということだそうだ。命名は大木隆太郎氏。なるほど、女王蜂はいいところをかっこよく歌ってあとはトリオ(働き蜂)が死に物狂いでアドリブするのだ。あははは。働け働け。新曲です。

4.セット・ミー・フリー
構成、転調、私の作曲能力も捨てたもんじゃない。4人とも見せ場があるように作った。場面展開をドラムスがリードする。良の腕の見せ所だ。詞はNobie。バラードからロックへ、そしてまたバラードにかえる。こういうドラマチックなのが好きなのである。プログレみたいと言われるが、気持ちはレッド・ツェッペリン、魂はロックだ。アコースティックベースでやるのがいいだろ。ロック育ちの私のロックへのオマージュ。Nobieの詞もいいな。ぴったりだ。「音楽は私を解放する。」イエイ、そのとおりだぜ、ベイビー、ワオー。

5. ブルー・アンティーク
命名は大木隆太郎氏。イントロとエンディングにバロック調のアレンジ。ここがアンティーク。ブルーは憂鬱、テーマの持つメロディの印象。これはスタジオで初演奏、テイクワン。イントロはピアノと声のユニゾンを考えていたが、信正にグールドのバッハのように弾けといったら「えェ~!?」と言ったわりにはこのようにすばらしい演奏をするのだ。5拍子だぞ。メンバーの実力はすごい。思い知ったか。わはははは。Eフラットマイナー。

6. 石狩
皆さんは石狩をご存知だろうか。私の故郷北海道石狩地方。石狩川がど~んと真ん中に流れている。幼いころ真っ黒な鮭の飛び跳ねるのを見に行ったものだ。この曲はニューヨークに住んでいたころ、田舎の広がりのある大地を感じて、望郷の想いで書いた曲。Nobieが詞をつけてくれました。生きること、自分を見失うな。すべてはそこにある。いいね。

7. ビコ
リチャード・アッテンボロー監督、デンゼル・ワシントン主演。南アフリカのアパルトヘイトの実話に基づいた映画がありました。この映画を新宿で見てその帰り道に浮かんだメロディ。主人公のスティーブン・ビコの名前をいただきました。吾思うに、私がビコを思って出来た曲ではない。ビコの生き方に感動した、あるいは映画に私の心がきしんだ音がこの曲になったとしたら、この曲自体は反戦とか人種差別とかには無縁だな。本来音楽自体に社会的な意味合いを持たせるのは間違いだと思う。音楽家がその思想を、演奏を通じて、たとえばカザルスのように社会的公共の場で発露するのとは意味合いが違う。私がこの曲をビコと呼ぶのは完全に私事であって、この曲がアパルトヘイトを物語るわけではありません。などと言いつつ、メンバーには「アフリカの感じを出せ。」と言いました。あまり上手でない良のコンガがいい味を出した。Nobieのスキャットがとても楽しい。スキャットといっていいのかな?あまりに面白いのでコピーしよう。いっしょに歌ってみてはいかが?

いやっ んなー刃ー イテ-テ- ダーツクダッツクタ ダーツクダッツクタ はあはあはあー (ヒュルルー) んーななー 変なー いャオーっい 変だー いっしょだなー love だだー Love could be 殺してチッチ ケーキだなー イテ-イテ-イテ-ヨ- ほっぱらぱった シャバダバダーダッ タッタカタカタッ タカター ポレッテーペーテーテー トルックトゥ トートートートー テトートート タア- たぼぼぼぼぼ しゅるびる タッポーター なーなーなー(×4) なーなーなーンナー てーで だどーお (解析不能) ターターターお しゅるびいるるいるい ポーかっポー いやーいやーいやーや いららららー いらららららー いやラいやラいや すっくtotobe たかたー トゥトtotototo キャオーヤオー しゅるびる いやーいやーいやーいやーいやーいやーいやーいやーいやー いやらーーーーー

Nobie節全開。

8. ユー・アー・イン・マイ・ソウツ
私のもっとも初期の作品で、リッチー・バイラークのソロをはじめて聴いた時に影響をうけて書いた曲。分数コードとかペダルノートとか知り始めたころだ。当時とても新しく感じた。ああなつかしい。しかし、ビーホットで演奏するとなぜかポップロックバラードとなる。

9. 夜の底
Nobie の詞。作曲時はブルーノートレーベルのファンキージャズ現代版を想定したのだが、詞が付いて、うちのメンバーに演奏させると「新宿」になってしまうのだ。今の時代では「渋谷」かな。あはは。ヴォーカルのオクターブダビングはNobieのアイディア。どうやらNobieと良の20代コンビは独特のグルーブを持っているな。40代作曲者の意思は全く報われない。

10. 終曲~エピローグ
このようにラインナップし始めると締めくくりを遊びたくなって初めからタイトルを決めてエンディング用に作曲しました。私と信正のデュオがメインですがラストで逆転サヨナラの展開を見せます。信正のピアノが同一人物とは思えないほど違った表情をみせる。身内では「リチャード・クレイダーマン」とか「冬のソナタ」とか呼んでいるが、それは賛辞です。私の予想どおり面白くなりました。 さて、みなさん、どうお聴きになられたでしょうか? というより私が一番楽しんだかもしれない。でも気になるので、いいことも悪いことも何でもお聞かせください。私は喜びます。